実はまだ増加しているヒアリ。
研究論文から世界の動向や最新の研究を知るには?

実はまだ増加しているヒアリ。</br>研究論文から世界の動向や最新の研究を知るには?
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実はまだ増加しているヒアリ。研究論文から世界の動向や最新の研究を知るには?

2019年11月
ソリューション・コンサルタント 古林 奈保子

 

2017年の5月に初めて日本でヒアリが発見された時には大きな話題になり、私も子供に「アリは触っちゃだめだよ」と声をかけたのを思い出します。あれから時折ニュースに出るものの、忘れかけている人もいるのではないでしょうか。国立環境研究所によると、2019年10月の東京港青海ふ頭における調査で、ヒアリは「一定の規模のコロニーを形成しており、多数の有翅女王アリ(50個体以上)を含んでいたことが確認された」としています。南米大陸原産のアリですが、1930年以降北米に、2000年以降にアジア・太平洋地域に広がったと言われています。今回は研究論文から、ヒアリ研究の世界動向と最新の研究成果に迫りたいと思います。

 

目次

ヒアリ研究の世界動向

ヒアリ研究の注目論文

まとめ

 

ヒアリ研究の世界動向

ヒアリをトピック(論文タイトル・抄録・キーワードを対象)で検索すると、年々論文は増え、2000年以降急激に論文が増えています(図1)。これはちょうどアジア・太平洋地域への広がりと同時期です。その後、2015年には一度論文数は減少していますが、日本での発見の2017年の前後に、再び上昇に転じています。国別の論文数を見ると、米国が圧倒的に多く、全体の70%の論文に米国所属の著者が含まれています。日本は10位で、2017年の発見以降、論文が増えています。また、ここで特徴的なのは他の分野ではトップ10入りしないことが多い、ブラジルやアルゼンチンが上位10位に並んでいることです(図2)。

 

ヒアリ研究の注目論文

ヒアリ研究の注目論文をいくつかピックアップしたいと思います。1報目はヒアリのゲノムについての論文で高被引用論文に選ばれています①。こちらは、オープンアクセス論文ですので、どなたでも無料で読むことができます。2報目は日本の研究者が書いた、最近注目度が高い論文です②。ヒアリへの対応について、ワサビを用いる、という具体的な拡散防止に関する論文です。この論文は兵庫県立大学、沖縄科学技術大学院大学、台湾大学による国際共著論文です。

 

①ヒアリ研究の高被引用論文(同出版年・同分野で被引用数が上位1%の論文)かつオープンアクセスの論文

The genome of the fire ant Solenopsis invicta(本文を読む
By: Wurm, Yannick; Wang, John; Riba-Grognuz, Oksana; et al.
PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES OF THE UNITED STATES OF AMERICA   Volume: 108   Issue: 14   Pages: 5679-5684   Published: APR 5 2011

 

②日本の研究機関所属の研究者が書いた論文で最も利用回数が多い論文

Wasabi versus red imported fire ants: preliminary test of repellency of microencapsulated allyl isothiocyanate against Solenopsis invicta (Hymenoptera: Formicidae) using bait traps in Taiwan(論文のホームページへいく
By: Hashimoto, Yoshiaki; Yoshimura, Masashi; Huang, Rong-Nan
APPLIED ENTOMOLOGY AND ZOOLOGY   Volume: 54   Issue: 2   Pages: 193-196   Published: MAY 2019

 

 

まとめ

国内でのヒアリ発見から2年、ヒアリの生態や拡散防止について知るのに信頼あるジャーナルの論文を読んでみるのも参考になるかもしれません。ニュースで話題になったことを文献データベースで検索してみると、他国の状況や最新の動向がわかりますので、是非検索してみてください。ヒアリの拡散を止める研究が進みますように!

 

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